囲碁効能縦書き



「囲碁効能」  岡橋忠男


 取られたら負けるのだから

 相手は取られまいと思い

 本当の所も

 今日の結末も

 二人は知らないのだから

 それを二人で碁石でキャッチボールで手談されれば

 深いコミュニケーションの予感

 

 割合でいかれたら負けなのだから

 相手は半分以上と思い

 こちらも半分以上と思い

 本当の所も

 今日の結末も

 二人は知らないのだから

 それを手談されれば

 深いコミュニケーションの予感

 

  達者になると

 メンタルジェットコースターが体験できて

 そこにはあらゆる感情がある

 人生みたいとひそかに云われて・・・

 

 2人で盤上をたたいているので

 手拍子や祭囃子のように

 乗って来る日も体験できて

 自分たちより長く生きてる

 木でできた碁盤や碁石の

 アコースティックサウンドに包まれて・・・

 

 当然勝負ができるので勝負師さんは満たされて

 学者さんも そうか!にいっぱい出会います

 アーティスト魂も満たされます

 ポイントはここ・・

 それは相手のことはわからないのでコントロールはできず

 技術は付いていけないこともあるので

 そんな中で絵を描くことだけが自分でできること

 

 そして強くなれます

 ポイントはゲーム自体があまりにもシンプルだということ

 これはもう慣れやすいです

 慣れるとスラスラ出たり

 ビシッ!と出たり・・・

 

 囲碁を始めると

 そうか!ということに

 そうだったのか!ということに

 いっぱい出会う日々が始まります

 

 今まではそうは見えてなかった

 そうだったのにそうでなかった

 

 それが そうか!そうか!そうだったのか!

 と、ある程度続くとどうなるか

 

 というと 想像通りで申し訳ないですが

 そ う だっ た の かー!! と

 奥深い所までストレッチされたりするわけです

 

  そういう時間を一緒に過ごすと

 人はどうなるのかというと

 ずーっと昔から知ってた友か

 という感じになります

 

 あとオマケというか

 打つことはたたくことで

 たたき続けるので

 とても発散になります

 

 行儀が悪いですがしゃべりながら打つと

 ダブル発散になります

 打ちながらしゃべりながらその上そこに飲みながら

 をいれるとトリプル発散も昔はOKでした

 今はこういう時ですので加減してください

 (囲碁梁山泊107号より)

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